まず，正規直行座標系では共変成分と反変成分は同じ，つまり

だったわけだから， と計量テンソルgを導入したとき，g₁₁=g₂₂=1かつg₁₂=g₂₁=0となる．これは と書いてもよい．これはg^ijにも言えるので，省略して のように書くこともある．ともかく，正規直行座標系では，計量テンソルは対角成分（i=jなる成分）が1で，それ以外が0である．（つまるところ単位行列と同じである．）

斜交座標系では，計量テンソルの各成分は一般に任意の値を取り得る．一般座標系では，計量テンソルそのものが位置に依存する（場所によって変わる）．これが，計量テンソルが「空間のゆがみ」を表すパラメタと呼ばれる所以である．