A note on Electromagnetic theory 2: ガウスの発散定理


これはガウスの定理(数学者はストークスの定理と呼ぶ)である.これは物理法則ではない,数学定理である.

ガウスの定理が言っていることはこうである.ある閉じた空間の表面をSとする.表面Sから出て行く(あるいは入っていく)流束をEとする.表面Sのある微小部分sの法線をnとする.内積<E,n>を表面S全部にわたって寄せ集めたもの(積分)を,その表面Sが包む体積Vで微分したものは,Eの発散(ダイバージェンス)に等しい.繰り返すが,これは恒等式であって,物理法則ではない.シンボルの操作によって得られる結論であって,実験による経験則ではない.

これで,ともかく電場Eに関する法則のひとつ


について,見慣れた微積分の形に持って行ける.

ガウスの定理の両辺を体積Vで積分して,上記の法則を代入すれば,


という物理法則を直ちに得ることが出来る.
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