マクスウェル方程式の第一の主張

真空中のある位置に電荷qがあるとして,そこから距離r離れた場所に試験電荷Qがあるとしよう.この試験電荷Qが受ける力FはF=QEだから電荷qが距離rに作る電場Eがわかればよい.
電荷qから半径rの球面を考える.球面の中身の電荷の総和はqだから,

一方,半径rの球の表面積は4πr2であり,電荷qがつくる電場は球対称と考えられるから,

まとめると,


さて,マクスウェル方程式の一部(div Eに関する部分)からクーロンの法則が導出できた.これは命題論理のよい練習問題でもあるだろう.命題Aから命題Bが導出できたとして,命題Aと命題Bは同値だろうか?...もちろん,違う.命題Aは一般に命題Bよりもより多くのことを語っている.
というわけで,クーロンの法則は div E に関する法則のすべてではなく,一部である.