Education‎ > ‎Arduino for adults‎ > ‎

Arduino for Adults 2: ハードウェア編

今回は前回の買い物編に続くハードウェア実装編です.

まずお手元に前回購入した万能基板をご用意ください.Arduinoに接続するためのピンが付属していますが,いきなり半田付けをしてはいけませんぞ.それは最後まで取っておいてください.

この万能基板,見た目よりも結構狭いんです.というのは,一番外側のランドを眼鏡を外してよぉっく見ると,Arduinoからのピンに繋がっているのがわかります.つまり自由には使えないのですな.試しにリレーを並べると,こんな感じです.隙間無し.狭いっしょ?(僕は実際には1グリッド分上にずらして固定しました.後の写真をご参照ください.)


この基板にリレーだけというわけにも行かないでしょう.いつ若者がやってきて「ジジイ,ここにアンプ載せたいんだけど」と言うか分かりません.そんなとき「この不動産の半分はお前のものぢゃ」と言うために,出来るだけ回路の占める面積を切り詰めておきましょう.

本当はここで実装図面を描くところですが,ジジイはそんな面倒なことはしません.いきなりパーツを配置していきます.本能の赴くままパーツをはめて下さい.すぐに気づきますが,部品配置の自由度はほとんどありません.リレー1個分のドライブ回路に使えるのは4ピッチ幅しかありません.

そこで,お勧めの方法を言います.

「詰め込めるだけ詰め込め.」

選択の余地はありません.詰め込めるだけ詰め込みましょう.配線が大変?ジジイにはお手の物です.2.54mm間隔の半田付けなぞ,これまでくぐって来た修羅場に比べればゴミみたいなものです.表面はクリーンに,裏面はダーティに.これがダンディズムってものでしょう.イアン・フレミングはお好きですか?さあ、後先考えずに詰め込みましょう.

あ,調子に乗って抵抗を立ててはいけません.あれは若気の至りです.「抵抗は立てるな」という格言を思い出しましょう.

多少の理性を働かせるなら,まずダイオードはリレーの横に、ダイオードのアノードとトランジスタのコレクタを出来るだけ近く配置することになるでしょう.これで他の配置も大体決まります.床柱から始める日本建築の風格が漂います.

ドライブ回路だけでなく,インジケータ用のLEDも付けましょう.僕は赤・青の2色LEDをつけます.ここで,ON時に赤にするか青にするかで人間性が問われます.赤は人を警戒させる色です.なので警戒すべきときに使う色です.リレーがONになると,コイルに電流が流れ続けるので熱を持ちます.つまり,リレーON時は警戒しなければなりません.正しい選択はもうおわかりですね.

部品配置は決まりましたか?僕の場合こんな風に配置したあと,若干やり直しました.(やり直した後の写真を撮り忘れたんです.ごめんなさい.)


さて,いよいよ半田付けです.ここら辺で一杯やりましょう.酒のアテに半田付け.薄明かりの下,グラスに満たされた琥珀色の液体と,立ちこめるヤニの香り.惚れない女がいるでしょうか.神様がなぜ半田ごてをお作りになったのか理解する瞬間です.

背の低い部品から基板につっこんで半田付けしていくわけですが,何せ基板に隙間がありません.伸びた足をどちらに曲げるか,前もって考慮しておいた方が断然いいです.最後にリレーをくっつけたら,足だけでは繋がらなかった部分をワイヤで繋いでいきましょう.酔った勢いで一気に配線してしまいましょう.

僕の場合,この時点でラッピングワイヤが自宅に無かったことを思い出しました.(既に酔っているのでどこにあったかも思い出せません.)幸いビニル被覆線が数本見つかりました.あんまりお見せするものではありませんが,恥を忍んで公開します.


後でデバッグしようなどという考えは蒼き事象の水平線の彼方です.ただし,目を皿のようにして,ショートがないかじーーーっと見てください.この時ばかりはデジタル式のテスタがあると便利ですな.

ドライブ用の信号はどこからとってもいいですが,僕は2番,4番,7番,8番の四つにしました.なぜかと言いますと0番と1番はシリアル通信ラインとシェアされており,3番,5番,6番はPWMで出力できる(と基板に書いてある)のでパスしたからです.

最後にArduino接続用のピンをつけましょう.リレーシールド完成です.僕はパイナップル1号と名付けました.理由は聞かないでください.

次回はいよいよArduinoにくっつけて,スクリプト言語Rubyで駆動してみます.あ,ジジイの皆さんはMacユーザですよね?もしまだMacユーザでなければ,次回までに買っておいてくださいね.

追記:LED周りの回路図も載せて欲しいとの要望を頂きました.以下に掲載します.

Comments